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「怖い場所」編集現場の怖い話

 よく、霊に関わる映画や本の制作現場には、本当に霊が寄ってくると言われます。
 まあゲンは担いだほうがいいよね、などと思っていたところ、鈴木が関わった本の編集者さんからも現象の報告をいただきました。
 
 強烈な現象ではありませんが、そこがまたリアルな心霊体験というものかもしれません。
「霊の仕業だ」「いやいや偶然だ」といった解釈は皆様にお任せして、発生した事実としてここに紹介いたします。


●「本当にある「怖い場所」案内〜全国縦断・地図付きガイド〜」(笠倉出版)
   の製作中におきた不思議な出来事
 
 体験者:K野さま(念のため伏せ字 編集者・女性)
 
 不思議な現象は、この本の編集を始めた当初から少しずつ起こりはじめました。
 
 最初は「送信済みのはずのメールが届いていない」「画像や原稿のファイルが行方不明になる」など、不注意やPCの調子にもよる可能性もあるものだったので、「心霊現象かも〜」と冗談半分に言いつつも信じてはいませんでした。

 しかし、あまりに頻発にトラブルが起きることを不思議には思っていました。

 そして締め切り間際になると、あることに気が付きました。トラブルが起きるのは同じページばかりなのです。
「鬼のミイラ」「宮島の七不思議」を紹介するページなどは、何度もデータを修正しているのに、文字が抜けてしまったり、他のページと文章が入れ替わったりなどするのです。
 
 編集作業が最終段階に入ったある日、某デザイン事務所でデータを直す作業をしていると、急激に不思議な現象が増え始めました。
 
 たった今、直したはずのデータが、数分後に確認すると直す前の状態に戻っているといったことが何度も何度も起きるのです。

 また、「兵隊の幽霊の出る有名高校」「本物の幽霊の出るアトラクション」を紹介するページでは、文章データを作業をするPCにデータを移そうとすると、文字化けしてしまい作業が先に進みませんでした。
 保存の仕方を変えるなど思いつく全て手段を尽くしましたが、そのスポットのデータだけはファイルが開けない、文字化けなどの症状を起すのです。

そして、ついに心霊現象を決定づけたことが起こりました。

 まるで、PCの画面の奥から誰かが「画像を引っ張っている」ように画像が奥へと吸い込まれ、伸ばしたゴムが戻るようにバチン!と元の画面に戻ったのです。
 この現象は、私を含め2名が同時に見ています。

 他にも、あるスタッフの携帯電話に異変が起きました。
非通知の着信は受け取らない設定になっているにもかかわらず、夜中に何度も何度も非通知の電話が鳴ったのです。
 その人物が無視して電話を取らずにいると、携帯電話のバッテリーパックのカバー部分に突然亀裂が入り、粉々に砕け散ってしまいました。
 
 そんなことがありながら何とか入稿作業は終わり、身体に異様な重圧を感じていていた私は帰宅すると直ぐに塩を撒きました。
 その時、驚くほど身体が軽くなったの覚えています。

 この出来事を霊に詳しい友達に相談したところ、インターネットは「門」という概念で霊が侵入しやすいから、しばらくは接続を切っておいた方が良いと言われました。
 私は言われたとおりにした後、疲労のためかいつの間にかうたた寝してしてしまいました。

 そして、しばらくたってから、誰かが玄関のドアをトントンと叩く音で目を覚ましました。
 熟睡していたので最初は朝なのかと勘違いしていましたが、寝ぼけながら玄関に向かうと、脇に見える窓の外は真っ暗。
 まだ夜だということがわかり、直ぐには開けずドアスコープから外を見ました。

 誰もいません。
 
時計を見ると夜中の12時ごろでした。
 概念的な「門」を綴じたので、物理的な「門」である玄関にアプローチをしてきたのでしょうか?

 そして次の日から数日間、原因不明の背中の痛みに悩まされ、今回の本にも掲載されている「お祓いの仕方」という、自宅で簡単にできる方法を2日ほど実行しました。
 心配だったので、巣鴨の「とげ抜き地蔵尊」にもお参りに行きました。(※1)
 そのおかげか、以降は不思議な現象は起きていません。

 この文章を書いている時点では、出来上がった本の中身を確認していないのですが、また、直したはずのデータが直す前の状態に戻ってしまったり、文章が抜け落ちるなど、雑誌的に恐ろしいことが起きているのではと不安でたまりません。

 この本はすでに、人知の及ばぬ範囲に足を踏み込んでしまった気がしています。

 ですので、もし、この本をご覧になって誤植などの手落ちを見つけられた場合に
は、どうか、「これも心霊現象か?」と、温かい目で見守ってくださいませ。(※2)

 
 宜しくお願いします。


 いかがでしたでしょうか。仕事に実害がある、ていうのが普通に困りますね。合掌。
 
 鈴木自身も取材・ライティングで関わったこの本ですが、幸いにして霊現象に見舞われてはおりません。
 まあ、「霊現象っぽいものも『偶然』と片付ける人」また、「霊と相性が悪くて、無意識に追い払ってるのか?」と友人から言われたことがあるので、知らないところでなんかあったのかもしれませんが。
 もちろん、ほとんどの霊現象は勘違いや思い込みだと思いますしね。・・・ほとんどは。いつの日か、例外のケースに触れてみたいものです。
 
 個人的にすごく好きなジャンルなので「もっとすごい体験があるぜ!」って方がいたら教えてくだされば幸いです。
 言うまでもないですが、許可なく本にしたりはいたしませんので。
 では、失礼いたします。
 
 
(※1・・・とげぬき地蔵って霊に聞くんですか? 詳しくなくてすみませんが)
(※2・・・もしや、この弁解が主題ですか・・・?)


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