東陽片岡作品 紳士録 fire a surface-to-air missile, from nose
 
 
人生の甘さ辛さが全てこめられている東陽作品(言いはります)。
この紳士録にて、作中の登場人物を簡単に紹介していこうと思います。
 
「紳士録」となっておりますが女性も入っていくかもしれません。ただ、女性の登場人物って少ないんですよね。
ホームレスが中心なので、少ないほうがいいかもしれませんが・・・ 
 

都度追加してまいります。
 
No.1
グチ聞き屋

東陽作品全般に登場する、フンドシ一丁のオヤジ。
飲み屋のカウンターに正座し、お酌しながらグチを聞くのが仕事。
 
誰も文句を言わないところを見ると、流しの演歌歌手や吟遊詩人のようなもので、お店公認の商売なのだろうと思われる。
グチ聞きは基本的に1,500円(交通費別途)
 

年老いた母親と二人で暮らしており、八重子さんという女性との離婚歴がある模様。

No.2
兄貴(良さん)

これまた全般に登場するオヤジ。
ホームレスだが、ときどき段ボール集めの仕事はしている。
暑い日には弟分「辰」に仕事をさせてリヤカー上で酒を飲んでいることもある。
 
真偽は別として何事にも一家言持っており、含蓄のありそうなことを言う。
またなかなかのアイデアマンであり、チャレンジ精神旺盛。

No.3

兄貴と常に一緒に行動するおとなしい男。40代。 朴訥で、兄貴をはじめ人に言われたことは簡単に信じる。
生活も財布も全て兄貴と共にしているようで、二人でいろいろな新商売に手を出すが、どれもなかなかうまくいかない。
 
またその一方で、ストリップに行くために製本屋でアルバイトするなど、堅実(?)な一面も。
 
どうやら元キックボクサーであるらしい。

No.4
トメさん

かなり出演率の高いオヤジ。
ホームレスで、生活手段は兄貴や辰とほぼ同じ。
だが彼には特別な誇りがあり、ことあるごとに武士の生まれであるとか言う(眉唾だが)。
 
また、彼は我々ファンにとって貴重な「53にもなって漏らしたくねえ」というセリフを残しており、登場人物の年齢を推し量る役に立っている。
 
娘さんがいるらしいが、今いずこ・・・。
余談ですが、僕が昔テレビで見たアメリカのホームレスは、嫁に行った娘さんだけ普通に暮らしていました。時々弁当持ってきたりして。彼の娘さんもそうやって幸せにしているといいですなあ。

No.5
山下さん
本名・山下則夫。製本会社勤務。
「されどワタシの人生」「お三十路の女」などに登場。
 
いつも無表情でほとんど話さないが、風俗への思いは非常に強い。
 
臨時収入があれば風俗に直行し、オバちゃんが出てきて泣く。
妹(彼とウリ二つだ)と二人で貯めた貯金に手をつけて風俗に行き、妹に殴られて泣く。
泣くときも彼は表情を変えない。ただただ涙と鼻水を流すのみの寡黙な男である。
 
遊びに来た同僚らしき男が「メンチ食わして」と言ってときには頑強に抵抗し、メンチをかけて殴りあいを展開したが、その時も無言であった。この寂しいエピソードは心に残る(「されどワタシの人生」収録)。
 
最後に、妹との貯金に手をつけた時に発した、数少ない貴重なセリフを記しておく。
「全部ソープに使いました。すみません。」
「だ、だって、チンポがうずいて……。」
直球一本の謝罪だ。山下さんは無駄なことは言わないのである。

No.6
潜水艦一家

「紳士録」だが、個人ではない。あえて言うなら親父の紹介ということになるが、やはり一家でないとはじまらない。
 
その名のとおり、潜水艦で暮らしている一家。
操縦はお手のものらしく、彼らを追う(?)駆逐艦を目視で発見しては潜行、回避する。
「真上で止まったぞ。まさか爆雷じゃ?」と緊張した面持ちでつぶやく親父。なぜ彼らが狙われなくてはならないのか…(民間人が潜水艦に乗ってるからだと思うが)。
 
そんな日々に疲れた息子・良平の「だいたい俺達なんで潜水艦に乗ってなきゃならないんだよ」というもっともな疑問に対し、
「潜水艦が好きなんだよ」と、理由にもならないことを感極まって泣きながら答える親父。
 
東陽片岡作品の中でも屈指の不条理親父なのでありました。
 
ちなみに「良平」という名前は、東陽片岡作品ではたびたび息子の名として出てきます。
キャラクターを俳優のように捉えて使いまわす、手塚治虫の「スターシステム」に近い高度な手法と言えましょう(言えません)。
No.7
さすらいカレー(をやってる奥さん)
「さすらいカレー」って人名じゃないですが、キャラクター名ってことでご勘弁。
「紳士録」ってのはあくまでテケトーなコンテンツ名であります。
 
さて。行方知れずの夫がいつか帰ると信じて、カレー屋台で生計をたてる美しき人妻である。今のところ、夫が姿を消したワケは明かされていない。
 
彼女ははじめ、「こんなカレー屋台があったらいいなあ」という妄想話に登場していた(はず。手元に単行本が見つからないので、違ってたらお教え下さい)が、「お三十路の町」にて、めでたく実在の人物に昇格した。
第1巻のトップバッターなので、印象に残っている人も多いだろう。
 
この話には兄貴も共演しており、小学館での東陽一座立ち上げに華を添えて(?)いる。
 
女ひとりの店だとタカをくくった兄貴は食い逃げを敢行、どえらい復讐を食わされるのだが・・・。
結構シャレにならない復讐なので、食い逃げ犯にはこれを読ませれば再犯は減るのではないか。減りませんか。
 
カレーは1杯350円。材料はあやしげだが、味はいいらしい。
おまけに美人が作っているのだから、人気が出そうだ。
 
ちなみに下にある絵、よく見ると「先払い」と書いてある。
なのにどうして兄貴は食い逃げを試みることができたのだろう。謎だ。
さすらいカレーはこの日に開店したばかりだったので、まだ慣れていなかったのだろうか? 油断ならないオジサンも多いので、気をつけて営業してほしい。
 
 
追記:
マニアオルガンのウッキーさんに聞いたところでは、コスプレ姿の女性が目の前でおにぎりを握ってくれる「小悪魔居酒屋」なるものがあるとか。
さすらいカレーを求めてしまう男の心理を突いてますな(違う?)。

 

兄貴 meets さすらいカレー
 
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