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茨城もろもろ1・鹿島の神様


◆地元めぐり・鹿島神宮


最近ライター仕事で関わっていた民話・ミステリースポット取材のため、地元茨城に帰っておりました。
茨城というと、なまじ関東であるだけに田舎としての売りが足りないように思われます(思ってました)が、意外といいものがあります。
 
まあ、古来より鹿島神宮や笠間稲荷に守られた地であり、最近では徳川御三家の水戸藩もありました。
地元民の僕が「意外と」なんて言ったら怒られてしまうかもしれませんが。
 
さて、僕が今回行って参りました場所のひとつに鹿島神宮があります。
茨城の人は商売っ気があまりないので(僕もいまひとつ・・・)特産物も史跡も知られていませんが、この鹿島神宮で祀られる神様・
建御雷之男神(タケミカヅチノカミ。ほか、武甕雷男神・武甕槌命などとも)は性格がかなりイカす神様です。
 
神様にもそれぞれ性格や司る分野というものがありますが、とりあえず殴りあいなら最強というわかりやすい神様。
国譲り神話の際には、神々の代表として別の神々の勢力と喧嘩したという人(?)です。
一説には、代表として自分から名乗り出たともいわれるので、そちらを適当に(えーっ)解釈して書いておきます。
 
むかしむかし。天照大神(アマテラスオオミカミ)と八百万の神々は困っていました。
別の神様の勢力と国取りをかけて争っていたのですが、交渉のため送った二人の神様は、どちらも寝返ってしまったのです。
 
もう失敗するわけにはいきません。次はいよいよ交渉ではなく戦いになるでしょう。
みんなで議論したところ、経津主大神(フツヌシノオオカミ・香取神宮などで祀られる)に行ってもらおうということになりました。
彼なら大丈夫でしょう。
 
しかし、その話を面倒な人(神)に聞かれてしまいました。我らが建御雷之男神です。
建御雷之男神は壁を蹴破って(想像)部屋に飛び込んでくると
「喧嘩の代表が俺ではないだと! 俺が弱いとでも言いたいのかコノヤロウ!
と、床を踏み破るわ他の神様はひっぱたくわ、人の酒は飲んでしまうわで大騒ぎ。
いや、喧嘩とは限らずネゴシエイター(交渉人)としての役割もね、とか言っても聞きません。
国を取る前にここが危険な状態です。
 
そこで他の神様たちは「じゃあ、二人で行っておいで」と建御雷之男神をなだめ、二人をつかわすことになりました。
 
地上へ降り立つと、剣の切っ先を上に向けて地上に突き立て、その上にあぐらをかくという脅威のパフォーマンスで相手を威圧する建御雷之男神。
それを見た相手勢力の代表・大国主命(オオクニヌシノミコト・「因幡の白兎」の主役や、大黒様として有名)も「こいつは前のとは違う」と思い、従うもやむなしと判断しましたが、相手勢力にも似たような方がいました。
大国主命の息子、建御名方神(タケミナカタノカミ)です。
「お前らなんかに従うかオラー!」と、千人がかりでないと持ち上げられないような岩を投げつけてきました。
 
明らかに交渉する気はない二人のこと。建御雷之男神も手近な岩を投げ返し、すぐに戦いが始まりました。
 
力比べをしようと手を握ってくる建御名方神。
ですが、建御雷之男神は手を氷柱や剣に変えるという不思議な技を使って建御名方神を驚かせると、はるか遠くに投げつけてしまいました。
 
・・・遠くに飛んできた建御名方神。「ひどい目にあったぜ」と言いながら後ろを振り向くと、どうやって追ってきたのか、建御雷之男神が刀を振り上げながら迫ってきています。「これぐらいにしておこう」という考えは持ち合わせていないようです。
 
こりゃ相手が悪いと思った建御名方神は「私はここ(飛んできた土地)に住むことにします。あの国はあげます。だからもうやめよう」と言い一件落着となったのでした。
 
かなり適当な想像(暴れたところとか)を入れ、神話より建御雷之男神が下品になっていますが、だいたいこんなところです。
とりあえずパンチで解決、という。
 
ちなみに建御名方神についてですが、神話にも当時の人の政治的意図などは込められているので、上下を決めつけるのもあれなんですけどね。
建御名方神もまた武勇の神として今も崇められています(フォロー)。
 
常陸国(茨城)や鹿島で進めていこうと思いましたが、建御雷之男神の神話だけで結構な長さになりました。
続きはまた今度ということで。
境内のレポートや門前のお土産屋さん「うちだや」でお蕎麦を食べた話など。

 
樹齢数百年を越える木々が立ち並び、清冽な空気を
漂わせる鹿島神宮。
 
さすがにこの中での禁煙を破っている人はいませんでした。


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